和解成立
平成25年4月5日 金沢地方裁判所で
浅野川水害訴訟の和解が成立しました。
最後に源裁判長から
「被告・原告双方が和解に向けて協力してくださったことに
敬意を表し、感謝いたします」 との異例の発言がありました。
記者会見の場で読み上げられた原告団の文章を掲載します。
「浅野川水害訴訟を終えて」
本日、金沢地方裁判所において、浅野川水害訴訟の和解が成立いたしました。
提訴から丸4年、あの水害の日から数えれば4年8ヶ月余りが経過しました。
「和解」という名の決着ではありますが、私たち原告は、裁判所が県・市に対し、
金額はともかく、賠償責任を認めたことにより、これを「勝訴」
と受け止めています。これもひとえに弁護団の先生方と、
終始公平かつあたたかい目線で報道してくださったマスコミの皆様のおかげでございます。
この場をお借りしてお礼申し上げます。
今回の提訴のポイントは「行政側の初動ミス、すなわち人災による住民被害であるのに、
行政は責任を否定し続けた」という点でした。
具体的には、石川県が管理する陸閘(角落とし)と金沢市が管理する水門から
溢れ出した膨大な川の水によって引き起こされた被害です。
私たちは閉めようと思えば閉められたはずの3つの角落としと2つの水門を
閉めなかった行政の責任を追及したのです。しかし、誰の目にも明らかな
行政の失態に白黒をつけることが、こんなにも困難だとは思いませんでした。
ともあれ、長い闘いが終わりました。
私たちが学んだのは「あきらめてはいけない、
相手が誰であろうと理不尽なことを見過ごしてはいけない」ということでした。
この5年近くの間に、県民・市民は言うに及ばず県外の方からも「頑張ってください」
「応援しています」というたくさんの励ましの声をいただきました。
行政相手に起こした水害訴訟で住民側が勝訴した例はほとんどない、
と聞いています。仮に今回私たちに有利な判決が出たとしても、
県と市は間違いなく控訴したことでしょう。
何しろ向こうには有り余るほどの時間と資金があるのですから、
裁判が何十年かかっても痛くも痒くもない。
しかし、私たちにはそこまでの体力はありません。
ですから今回の和解はよい落しどころだったと思います。
損害賠償請求金額は、計1億6000万円でした。
そして和解金はその約3割の4700万円。
しかし70名近い原告からは、ただの一言も不満の声は出ませんでした。
もともと訴訟目的は賠償金ではなく、正義と常識を貫きたいとの思いでした。
全員一致で和解受け入れが決まったのは、
皆が実質的な勝利だと知っていたからにほかなりません。
この裁判期間中、ずっと私たちの心を占めていたひとつの疑問がありました。
行政は、そして為政者は一体誰のためのものか、ということです。
行政は自分たちの面子を守るためにではなく、住民の安全や幸福を守るためにこそ、
存在するべきだと思います。
水害で経済的・精神的に大きな傷を負った被災者を、
さらに苦しめることとなった行政の対応が、
今後は決して繰り返されることのないよう、心から願います。
私たち以外にも被害を被った膨大な流域住民に思いを馳せつつ、
改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
浅野川水害訴訟原告団
浅野川水害訴訟の和解が成立しました。
最後に源裁判長から
「被告・原告双方が和解に向けて協力してくださったことに
敬意を表し、感謝いたします」 との異例の発言がありました。
記者会見の場で読み上げられた原告団の文章を掲載します。
「浅野川水害訴訟を終えて」
本日、金沢地方裁判所において、浅野川水害訴訟の和解が成立いたしました。
提訴から丸4年、あの水害の日から数えれば4年8ヶ月余りが経過しました。
「和解」という名の決着ではありますが、私たち原告は、裁判所が県・市に対し、
金額はともかく、賠償責任を認めたことにより、これを「勝訴」
と受け止めています。これもひとえに弁護団の先生方と、
終始公平かつあたたかい目線で報道してくださったマスコミの皆様のおかげでございます。
この場をお借りしてお礼申し上げます。
今回の提訴のポイントは「行政側の初動ミス、すなわち人災による住民被害であるのに、
行政は責任を否定し続けた」という点でした。
具体的には、石川県が管理する陸閘(角落とし)と金沢市が管理する水門から
溢れ出した膨大な川の水によって引き起こされた被害です。
私たちは閉めようと思えば閉められたはずの3つの角落としと2つの水門を
閉めなかった行政の責任を追及したのです。しかし、誰の目にも明らかな
行政の失態に白黒をつけることが、こんなにも困難だとは思いませんでした。
ともあれ、長い闘いが終わりました。
私たちが学んだのは「あきらめてはいけない、
相手が誰であろうと理不尽なことを見過ごしてはいけない」ということでした。
この5年近くの間に、県民・市民は言うに及ばず県外の方からも「頑張ってください」
「応援しています」というたくさんの励ましの声をいただきました。
行政相手に起こした水害訴訟で住民側が勝訴した例はほとんどない、
と聞いています。仮に今回私たちに有利な判決が出たとしても、
県と市は間違いなく控訴したことでしょう。
何しろ向こうには有り余るほどの時間と資金があるのですから、
裁判が何十年かかっても痛くも痒くもない。
しかし、私たちにはそこまでの体力はありません。
ですから今回の和解はよい落しどころだったと思います。
損害賠償請求金額は、計1億6000万円でした。
そして和解金はその約3割の4700万円。
しかし70名近い原告からは、ただの一言も不満の声は出ませんでした。
もともと訴訟目的は賠償金ではなく、正義と常識を貫きたいとの思いでした。
全員一致で和解受け入れが決まったのは、
皆が実質的な勝利だと知っていたからにほかなりません。
この裁判期間中、ずっと私たちの心を占めていたひとつの疑問がありました。
行政は、そして為政者は一体誰のためのものか、ということです。
行政は自分たちの面子を守るためにではなく、住民の安全や幸福を守るためにこそ、
存在するべきだと思います。
水害で経済的・精神的に大きな傷を負った被災者を、
さらに苦しめることとなった行政の対応が、
今後は決して繰り返されることのないよう、心から願います。
私たち以外にも被害を被った膨大な流域住民に思いを馳せつつ、
改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
浅野川水害訴訟原告団
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